文化放送『くにまるジャパン』に山田冬樹が出演 128回テーマ 「自己破産でやり直そう」編

2011年08月02日

128回テーマ 「自己破産でやり直そう」編
2011年8月2日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 山田冬樹(やまだふゆき)弁護士

128回テーマ 「自己破産でやり直そう」編(8月2日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸

震災の深刻な影響が続いています。東日本大震災に関連して倒産した企業の数は、すでに阪神淡路大震災のときを上回っているという、衝撃的な調査報告も出ているようですね。

山田

そうですね。かなり厳しい数字が出ているようです。ただ、全国銀行協会が中心となって、被災者向けに、弁護士や税理士等の専門家がチームを組んで債務整理の支援を手掛ける仕組みができつつあるんです。

7月15日にはそのガイドラインが公表されていて、専門家チームが返済案を作ります。それについて債権者全員の同意が得られたら、その再建案にそって、借金を減額したり、分割回数を延ばしたりできるというものです。

邦丸

それはいい制度ですね。

山田

ただ、債権者全員の同意が必要なので、それができないと、やはり破産ということにならざるをえないでしょう。「破産」のイメージはいいものではありませんが、むしろ、生活再建のきっかけ、新しいスタート…こんな風に考えてみてはいかがでしょうか。

邦丸

「破産」といえば「終わり」という感じがしますが、むしろ「新たな始まり」である、ということですか?

山田

事業をやっている方で、借金に悩まれる方のほとんどは責任感が強いんです。借金がその責任感の裏返しということもあるんですね。返したい、でも返せない…ということで精神的に参ってしまう方もいらっしゃいます。ですが、保証人を付けて銀行からお金を借りたけど返せないということになると、かえって周りの人に迷惑をかけてしまいます。借金を整理して再出発を考える方が、その人のためにも、周りの人のためにもなることも多いんです。そういった最後の救済手段として「自己破産」をご検討されてみてはいかがでしょうか。

会社がつぶれても、社長さん個人の借金が残ることが多いんですが、自己破産は、法律的には「破産」と「免責」、二つの手続きに分かれます。最初の「破産」では、不動産などがあればお金に換え、借りている相手それぞれに金額に応じて返せるだけのお金を返します。
そして第二段階が「免責」、責任を免除するという意味で、裁判所が「もうお金を返さなくてもいいですよ」というお墨付きを与えてくれるわけです。

邦丸

「免責」は、申し立てをすれば、必ず認められるんですか?

山田

浪費やギャンブルで借金を作った場合は、原則、借金の免除は認められないとなっているのですが、初めての破産ということであれば、過去の浪費を正直に申告して、その点をきちんと反省して、生活をきっちり立て直す努力をしていれば裁判所も借金を免除してくれます。

東京地方裁判所では、年間およそ2万5千の自己破産申し立てのうち、認められないのは0.2%。浪費そのものより、浪費があってもそれがないと嘘をついたり、破産手続中にまた借金するなど反省が見られなかったり、財産を隠したりするといった理由で借金を免除されない例が多いんです。

また「横領したお金」「税金、罰金、子どもの養育費、重大な過失で人身事故を起こした場合の賠償金」などは免責されませんが、普通に生活していた方なら、まず心配することはありません。

邦丸

でも第一段階の「破産」手続きで、不動産など処分して無一文状態ですよね。生活はどうなりますか?

山田

自己破産は再出発のための制度ですから、日常生活が送れないほど財産を奪われることはありません。「破産管財人」がつけば、99万円までの現金は持てます。また生活用品や電気器具、売ってもあまりお金にならない中古自動車などは手元に残せるんです。

邦丸

そうはいっても、やはり破産は最後の手段。できれば防ぎたいのが人情ですよね。

山田

そうですね。倒産防止のため、資金繰りには十分気を付けてほしいですね。資金繰りがうまくいかないと、黒字倒産ということもあります。取引先の倒産に備えて、連鎖倒産防止のための共済にはいっておくのもいいでしょう。行き詰る前に、弁護士など専門家にアドバイスを求めるのも大切だと思います。