文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明代表弁護士が出演 157回テーマ 「ヤミ金にご用心!」編

2012年02月28日

157回テーマ 「ヤミ金にご用心!」編
2012年2月28日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 太田英明アナウンサー
・番組パーソナリティ 安西真実さん
・法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士

157回テーマ 「ヤミ金にご用心!」編(2月28日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

太田
先週、たくさんの業者から借入をしている、いわゆる「多重債務者」が減っているというニュースがありました。

中原
貸金業者からお金を借りた人の信用情報を扱う「日本信用情報機構」の発表によれば、5つ以上の業者から借入をしている、いわゆる「多重債務者」は51万人。ピーク時の半分にまで減ったということです。
これは以前から何度もお話している「改正貸金業法」で、年収の3分の1を超える借入ができなくなる「総量規制」が始まったことが原因だと思われます。

太田
それまでのように、「返せなければ他から借りて返す」ことが制度上できなくなって「多重債務者」が減ったということですね。

中原
その通りです。改正貸金業法は、もともと「多重債務問題」の解決を目的にしたものだったので、ある程度の成果があったと言えます。東京地方裁判所が受理した自己破産の申立件数も、ピーク時は年間2万5千件くらいあったのが、昨年は2万件を切っています。
ホームワンにくる相談内容を見ても以前はひどい時には10社以上から借りていて、年収の2倍から3倍も借金がある人がいましたが、最近では、2、3社というのが多いですね。

太田
相談内容としては、返せないことには変わりないけれど、借入先が山のようにあったのが、現在では2、3社に減った、ということですね。それでも弁護士に相談にくる方は解決に向かうでしょうが、正規の業者から借りられないとなると、いわゆる「ヤミ金」に手を出してしまう方もいらっしゃるんじゃないですか?

中原
これは大阪での話ですが、大阪府に持ち込まれるヤミ金の相談が2010年には年間で30件だったのが、去年は87件に増えたそうです。中小企業の経営者が「急な入用で800万円借りたが利息が高く、2200万円以上返しても、まだ返し終わらない」というものや、また、やはりこれも心配されていたことですが、総量規制で以前のように借りられなくなった主婦が手を出した…といったケースが報道されていました。

太田
それは恐いですね。ヤミ金業者が主人公のコミック、「ヤミ金ウシジマくん」の映画化も決まったそうですが、あのマンガのように、実は身近に危険が一杯…ということでしょうが、そもそも皆さん、どんな所から、ヤミ金に手を出すんですか?

中原
きっかけになるのは「インターネット広告」「街頭ティッシュ」「ポスト投函チラシ」などですね。そして、自ら進んで、業者に電話をかけている方がほとんどです。「審査なし」「手軽に利用」がうたい文句なので、ワラにもすがる気持ちで連絡を取ってしまいますが、結局はさらに借金が膨れ上がるだけです。

以前、ご紹介した「クレジットカード現金化」も同様です。総量規制の対象外であるカードのショッピング枠を使い、通信販売の形で現金を融通するという手口。形としては「カードでの買物」ですが、実体は高い利息での借金です。こうした業者には絶対に近付かないでいただきたいですね。

太田
借金返済が立ち行かなくなった時は、一刻も早く、弁護士など専門家に相談するのが一番なんですね。

中原
おっしゃる通りです。毎週のようにお伝えしていますが、「ヤミ金」は違法な業者です。手を出してはいけません。借金を返すための借金は絶対に避けてください。最初は気軽に貸してくれても、待っているのは恐ろしい現実です。借金で立ち行かなくなったら、まず弁護士など専門家にご相談いただければと思います。