文化放送『くにまるジャパン』に山田冬樹代表弁護士が出演 172回テーマ 「あらためて過払いについて考える」編

2012年06月12日

172回テーマ 「あらためて過払いについて考える」編
2012年6月12日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 安西真実さん
・法律事務所ホームワン 山田冬樹代表弁護士

172回テーマ 「あらためて過払いについて考える」編(6月12日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
ラジオで聴いたり、あるいは電車の広告で見かけたり…すっかりおなじみになった言葉「過払い金」。漢字では「払い過ぎたお金」と書きますが、今日は改めてその意味するところについて教えていただきます。

山田
「過払い金」とは、ひとことで言ってしまうと、「法律で決められた利息より、高い利息で借金を返し続け、その結果、払いすぎてしまったお金」です。相手の業者と交渉すれば、返してもらえる可能性があります。消費者金融などの金利は、利息制限法で決まっていますが、5~6年前までは、これを越える金利でお金を貸す業者がたくさんありました。
ですから、それ以前からお金を借りている方、あるいは、借りていたがもう返し終わったという方も、「過払い金」がある可能性が高いということになります。

邦丸
どうすれば過払い金があるかどうか、わかるんでしょう。

山田
過去の借金の記録を貸金業者から取り寄せて、法律で決められた利率で計算し直せばすぐわかります。やってみたら、本当はもう返済は終わっていて、それ以降も払い続けていたとしたら、過払い金があります。以前は、複数の会社への借金返済に終われ、生活が苦しい…という相談をお受けして調べてみたら、実は「過払い金」があることがわかった…というケースがほとんどでした。

ところが、最近は、もう返済の終わった方、あるいはきちんと返済をしている途中の方が、「過払い金があるのでは」と相談されるようになりました。

邦丸
消費者金融以外からの借金でも、過払い金は発生するんでしょうか?

山田
クレジットのキャッシングは可能性がありますが、銀行ローンはもともと金利が低いので、期待できません。また、消費者金融が相手でも、先ほどお話したように、ここ2、3年で借り始めた方も、発生しにくいですね。逆に、二十年以上返済を続けているような場合は、何百万という過払い金が出ている可能性もあります。取引の期間が長ければ長いほど、また借りているお金が多ければ多いほど、過払い金の金額は多くなります。それだけ、元本を超えて利息をたくさん払っていることになりますからね。

邦丸
もう返済が終わってしまっている場合でも、請求することはできますか?

山田
できます。ただ時効がありますので気をつけてください。請求できるのは、返済が終わってから10年以内です。ほとんどの方は、利用明細など捨ててしまって、手元にお金を借りていた証拠がないかと思いますが、ただそう言った貸し借りのデータは、相手の業者がすべて保管していて、請求があれば全て見せなければならないことになっていますから、大丈夫です。

邦丸
家族にナイショで借金している方の場合、証拠になる書類など、すぐに捨ててしまうでしょうからね。ただ業者は、そんなデータを、あまり出したくないのでは…?

山田
請求があれば、見せなければいけないことになっています。こちら側は、それをもとに返還請求を行いますので、その金額が食い違いが争いになるようなケースはないんです。ただ、立場が違うと法律の解釈も違ってきて、争いがおきることもあります。来週はそのあたりを含め、過払い金返還請求の裁判について、お話しようと思います。