【ニュース】東日本事業者再生支援機構が発足 仙台に本店 被災者企業再建後押し

2012年03月14日

東日本大震災で被災した企業の二重ローン対策として新設された東日本大震災事業者再生支援機構が3日、本店を置く仙台市青葉区で発足式を開いた。5日に業務を始める。中小零細企業や農林水産事業者も救済対象とし、被災企業の再建を後押しする。
仙台市内で記者会見した同機構の池田憲人社長は「民間金融機関が培ってきた企業再生の方程式が、今回は当てはまらない。(既設の)ファンドや政府、金融機関と連携し、新しい処方箋で被災企業の再生、新生を図る」と抱負を語った。
同機構は約100人体制で、仙台市に本店、東京に本部を置いた。主な支援対象は、昨年11月に業務を始めた債権買い取りファンド「産業復興機構」で救済が難しかった小規模な企業や商店、農林水産や医療福祉の事業者。既存債権を金融機関から買い取り、最長で15年間保有する。
買い取り枠は最大5000億円。国が全額出資し、政府保証を付けたのが特徴。対象地域は岩手、宮城、福島、青森など14都道県285市町村。つなぎ融資や専門家派遣も行う。
相談業務は産業復興機構と一元化し、各県の産業復興相談センターが担う。救済基準として、主力取引金融機関やスポンサーから支援が見込まれることや、原則5年以内の営業損益の黒字化、15年以内の債務超過解消などが示されている。
式典には、政府や金融機関、支援対象の県の関係者ら約100人が出席した。あいさつした平野達男復興相は「被災企業の支援には歴史的な使命と役割がある。高い志を持って再生モデルを構築してほしい」と述べた。

引用
2012年3月4日 河北新聞
「東日本事業者再生支援機構が発足 被災者企業再建後押し」