債務整理用語集

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賠償額の予定(ばいしょうがくのよてい)

債務不履行に基づく損害賠償請求をする場合、債権者はその債務不履行によってどれだけの損害が発生したかを証明しなければなりません。しかし、こうした証明は多くの場合困難です。このため、契約書では通常、債務不履行があった場合、損害賠償額の額を予定し、債務不履行があった場合、損害額を証明することなく、請求することができるとされています(民法420条1項)。金銭消費貸借契約(貸金契約)では、通常、債務不履行=未払いがあった場合、年●%の遅延損害金を支払うという形で規定されています。

但し、利息制限法4条1項では制限利息の1.46倍以上の定めをした場合その超過部分は無効とされています。例えば、50万円の貸金の場合、利息制限法上制限利率は年18%とされていますので、18%×1.46=26.28%以上の遅延損害金はとれない仕組みとなっています。しかし、利息制限法7条は、貸金業者について、年20%を超える遅延損害金の定めは無効と、より厳しい制限を設けています。もっとも利息制限法7条は、平成18年改正により新しく規定されたものであり、平成22年6月18日の完全施行によってはじめて適用されることとなっています。

日掛け金融(ひがけきんゆう)

「日掛け業者」とは「日賦貸金業者」の俗称です。旧出資法は、①小規模商工業者だけを対象とし、②返済期間を100日以上とし、③返済期間の7割以上の日数を借主の店舗または住所で集金する、というやり方で融資する業者を「日掛け業者」ないし「日賦貸金業者」と呼び、通常の業者より高い金利を取ってもよいと定めていました。グレーゾーン金利の上限は年を追って下がっていきましたが、グレーゾーン金利が年29.2%の時代でも日賦貸金業者は年54.75%まで金利をとっても良いことになっていました。

小規模の商工業者は日銭商売であることが多く、毎日の売り上げから返済していくのが楽であり、これを回収する方もしょっちゅう店舗に集金に行かねばならず、通常の金融業者以上に手間がかかるから、その分高い利息をとってもいいというのが、この特例の趣旨でした。ただ、この特例に対する批判は強く、平成18年、出資法が貸金業法とともに改正された際に、この特例は廃止されました。

日歩(ひぶ)

貸金100円につき、1日いくらの利息を支払うかという形で、利率を定めたものが「日歩」です。今はパソコンがあるため利息の計算も簡単にできますが、パソコンができる前は利息計算を簡単にするため、日歩が使われていました。例えば日歩10銭を年利に換算すると、10銭(0.1円)×365日÷100円=0.365ですから、36.5%になります。グレーゾーン金利の上限が債権金額によって、21.9%、26.28%、29.2%と定まっていましたが、これを日歩に換算すると、日歩6銭、日歩7.2銭、日歩8銭となります。

旧三洋信販等の古い取引履歴を見ると、利息欄に「15」などと書いてあるので、これを年15%と誤解する方がいますが、これは日歩15銭(年利54.75%相当)を表しています。

分断計算(ぶんだんけいさん)

同じ業者との間で、一度借入金を完済し取引が終了したものの、しばらくして取引(第2取引)を再開したという場合、第1取引で発生した過払金が、第2取引の借入金債務に充当できるかどうかが争われます。充当を認めなければ、第1取引と第2取引とは別個に計算することになるため、こうした計算を「分断計算」といいます。

弁済充当(べんさいじゅうとう)

債務者が同一債権者に対して数個の金銭債務があり、弁済金がその全額をまかなうに不足する場合に、いかなる順番でそれぞれの債務に弁済をあてるのかという問題を「弁済充当」といいます。

契約書で充当の順位が決まっているのであれば、それに従うことになりますが、決まっていないとした場合、費用、利息、元本の順に充当します。そうして元本が複数ある場合は、債務者が充当順位を決めて支払うことができ、債務者が指定しないときには、債権者が受領時に充当順位を決めることになります。両者ともに充当順位を決めなかった場合、或いは、債権者が決めた順位に債務者が反対した場合は、①で決まらなければ②、②で決まらなければ③という具合に次の順番で充当順位が決まります。①弁済期にある債務→②債務者にとって弁済の利益が多い債務→③弁済期が先に到来したもの、あるいは先に到来すべきもの→④各債務の額に応じて按分充当する。

冒頭ゼロ計算(ぼうとうぜろけいさん)

取引履歴は全て残っている訳ではなく、古い記録は業者も破棄してしまっています。そのため、取引が長いと履歴が途中からしか開示されません(いわゆる「途中開示」)。その場合、開示された履歴の最初の日の残高をそのまま認めて(それ以前に払いすぎた利息を無視して)、利息制限法上の上限金利で計算するか(A)、それとも履歴の最初の日の残高をゼロ円として(それ以前に払いすぎた利息を考慮して)、利息制限法上の上限金利で計算するか(B)が争いになります。このBの計算方法を「冒頭ゼロ計算」といいます。冒頭ゼロ計算の根拠は以下のとおりです。

  1. 開示スタート日以前に取引のあったことは明らか。
  2. それ以前から業者は高い利息をとっている以上、開示スタート日時点の残高は履歴に載っている金額よりもっと少ないはず。
  3. 取引の記録を破棄したのは業者なのだから、責任を取って開示スタート日時点で残高はゼロ円として、以降法定利息で計算をすべきだ。

しかし、かつては冒頭ゼロ計算を認める判決も散見されましたが、最近この計算を認めてくれる裁判官はほとんどいなくなりました。

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