Cさんは、多額の借金を抱えていたわけではありませんでしたが、結婚前の借金を夫に秘密にしており、結婚に伴い、仕事の時間を大幅に減らし、夫から渡される生活費と合わせた金額の範囲内で返済も行なわなければならなかったため、次第に借金の金額が膨らんでいました。
それでもなんとか返済を続けていましたが、仕事上のストレスで体調を崩し、退職を余儀なくされました。借金が膨らむ一方で、妊娠も発覚し、今後の返済の見通しが立たなくなり、当事務所にご相談に来られました。
Cさんの家計状況、今後の出産などを考えると、任意整理は難しく、自己破産での解決を提案しました。Cさんも、当事務所に相談する前から自己破産を検討しており、破産手続上、処分対象になるような財産もなく、弁護士費用も親族からの援助が得られるという事でしたので、自己破産手続のご依頼を受けました。
Cさんの出産予定日を踏まえ、申立は出産後の状況が落ち着いてからということにしました。出産前と出産後で必要事項のスケジュールを調整し、無理がかからないように申立の準備を進めました。
申立後、裁判官との面接で、処分対象になるような財産もなく、免責不許可事由もないと認められ、同時廃止で手続を進めることになりました。裁判官との面接の際に、「免責審尋期日」(約2か月後)が設定されます。免責審尋期日は、本人が裁判所に出頭する必要があり、よほどの理由がない限り、出頭しないことは認められません。
産後間もないCさんの体調や生活状況も心配でしたが、期日には弁護士も同行し、無事に免責審尋に出頭することができました。その後、免責許可決定が下り、約200万円あった借金がゼロになりました。
Costかかった費用の内訳
着手金 28万円
申立費用3万円
合計31万円
弁護士費用に関しては、自己破産の弁護士費用ご覧ください。
2022年3月までの費用体系による算出です。税別で表記しています。
債務整理、特に破産事件を数多く取り扱ってきた。これまでに破産申立を行なった件数は6000件以上。依頼人の利益を考えることを第一に、法律サービスをもっと身近なものにしていくことを目指す。東京弁護士会春秋会の一員として編集に携わった書籍に『実践 訴訟戦術-弁護士はみんな悩んでいる-』などがある。
※本事例は、法律事務所ホームワンが過去に取り扱った事例を、プライバシーを考慮し、内容を変えて紹介するものです。