文化放送『くにまるジャパン』に山田冬樹代表弁護士が出演 118回テーマ 「震災便乗詐欺 温泉付き老人ホーム」編

2011年05月24日

118回テーマ 「震災便乗詐欺 温泉付き老人ホーム」編
2011年5月24日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 山田冬樹(やまだ ふゆき)代表弁護士

118回テーマ 「震災便乗詐欺 温泉付き老人ホーム」編(5月24日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
以前この時間で、被災者への義援金を募る手口や、被災した住宅を訪問して不必要な修理を勧める手口の詐欺に注意を呼び掛けました。

山田
実際、震災で瓦が落ちたり、壁にひびが入っているウチに、突然、リフォーム業者がやってきて、「このまま放っておくと、「屋根が崩れ落ちる。」とか、「家が倒壊する。」などと言って、高額な工事の契約をしてしまったなどという被害も随分あったようです。

邦丸
契約書にいったんサインしてしちゃったら、なかなかそれをキャンセルするのも難しいんじゃないですか。

山田
ただ今の例だと、これは訪問販売になりますから、その場合「特定商取引法」という法律があって、契約書を受け取ってから8日以内なら「クーリングオフ」と言って無条件でキャンセルできますしその場合一切解約費用もかかりません。
それに、契約書の内容にもいろいろ細かい決まりがあって、その決まりが守られていない場合は、8日間を過ぎてもクーリングオフできますから、簡単に諦めないで専門家に相談してほしいですね。

邦丸
最近、また新手の詐欺があるそうですね。

山田
「温泉付き有料老人ホーム」の「利用権」をめぐるトラブルが、最近、立て続けに報告されています。たとえば、温泉地にある老人ホームのパンフレットが、ある日突然、野村家に送りつけられてきます。すると、次の日、その老人ホームとは別の業者から、「今なら一口、二十万で販売されているホームの利用権を、三十万五千円で買い取ります」と連絡が来る。

普通なら、そんなうまい話あるものか、と思いますよね。ところが、この電話をかけてきた業者は、「実は被災者のための住宅が足りなくて困っている。 そのホームは被災者にとって理想的な場所にあるので、一口でも二口でも構わないので買い取らせて欲しい」と言う。
野村家としては、願ってもない儲け話、しかも被災者のためになるのなら…と、四十万を出して、二口購入してしまうわけです。

邦丸
すると、買い取るといった業者とは連絡が取れなくなっていたりするわけですね!

山田
買え、買え…と煽り立てる手法が芝居がかっているので、こういう風に、いかにもありそうなストーリーを作って、騙すような詐欺を「劇場型」と詐欺というんです。
邦丸
お芝居だとわからずノセられてしまうわけですね。ダマされる役に勝手に抜擢されちゃうとは…文字通り「悲劇」ですよね。

山田
特に震災がらみということになると、タチが悪いです。被災地や被災者のために何かしたい、役に立ちたい…そういう気持ちは、皆が持っているものですから…
トラブルを未然に防ぐには、電話で話を聞いただけで買ってしまわないこと。これが基本です。
いくら同情を誘うようなことを並べられても、どのような仕組みで被災者のために使われるかを、冷静に確認した後で手続きしないと、せっかくの善意が無になりかねません。

邦丸
そのほか、どんなことに気をつければよいでしょう。

山田
「上手い話には裏がある」って言いますよね。こういった儲け話には、一切、耳を貸さないのが一番です。こういった業者は、名前とかも架空だったりするので、後で気がついてお金を取り戻そうと思っても取り戻せません。
いきなり電話がかかってきて、近くの警察を名乗ったり、市役所の職員を名乗ったりして、人をだましたりすることもよくあります。そうした場合、電話をいったん切って、その警察や、市役所に電話をかけて、事実を確認してください。

邦丸
本当に被災地のために何かしたいと思うのなら、儲け話に乗るのではなく、信頼できる団体を自分から探して寄付をするなど、息の長い支援をしていきたいですね。