文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明弁護士が出演 116回テーマ 「押し買いに気をつけよう!」編

2011年05月10日

116回テーマ 「押し買いに気をつけよう!」編
2011年5月10日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 中原 俊明(なかはら としあき)代表弁護士

116回テーマ 「押し買いに気をつけよう!」編(5月10日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
ゴールデンウイークも終わり、そろそろ日常に戻ってきた感じがしますが、今日は「ゴールド」など、貴金属にまつわるお話です。最近、「押し買い」という犯罪が増えているそうですが、「押し売り」じゃなくて「押し買い」、これ、いったい、どんな手口なんですか?

中原
押し売りは、いらないモノを押し付けるように売りますが、「押し買い」は、この逆。貴金属など大切なモノを、無理やり、ひどく安い値段で買い取ってしまう手口です。
国民生活センターへの相談も増えています。

邦丸
具体的にどんな手口なんですか?

中原
ある60代の女性の例です。「○○貴金属店ですが、お宅にある金やプラチナ製品を買い取ります。見せていただけませんか」と、上品な身なりの男がいきなり家を訪ねてきたんだそうです。
ふだん身につけるものでもないし、もし高く売れるなら…とダイヤの指輪などを男に見せてしまった。男は、「じゃこの四点を買い取りますが、玄関先は暗いので、明るい場所で鑑定させてください」と強引に外に持ち出した。
戻ってくると「合計で3万円でした」とお金を押し付け、とっとと姿を消してしまった。
何グラムでいくら、といった詳細な査定は一切ありません。後から家族と相談して、「返して欲しい」と連絡しましたが、「もう溶かしてしまった」と、取り付くシマもない。

邦丸
悪質ですね。他にはどんな例が?

中原
一人暮らしの高齢者の女性が、着物の買取業者を呼びました。すると、「着物だけじゃなく、貴金属も鑑定しますよ」と、強引かつ執拗に貴金属を持ってこさせた。そして、買った時は30万以上もした貴金属類に対して1700円だけ置いて帰ってしまった。

認知症の方の家に上がりこみ、タンスを物色していたケースもあったそうです。

邦丸
それは詐欺というより強盗に近いですね。

中原
東日本大震災に付け込む手口も出てきているそうです。「被災地に寄付するため、貴金属を回収している」と、タダで持っていかれてしまったとか、「震災で注射針が不足しており、金やプラチナを集めている」とまことしやかにウソをついたり…

背景には世界的な金融不安があります。株に見切りをつけ、金に投資する人が増えているため、金の価格がどんどん上がってきているんですね。

邦丸
ただ、訪問販売だと、一週間以内なら解約できる、「クーリングオフ」の制度が使えるんじゃないですか?

中原
ところがクーリングオフは「モノを買う側」を守る制度。「押し買い」では消費者は「売る側」なので、対象外なんです。

法の目をかいくぐった、本当に悪質な手口だといえます。被害に遭わないようにするには、基本的に、知らない人は絶対に家の中に入れないこと。買い取ってもらう気持ちがないなら、毅然とした態度で断る。業者が無理やり入り込んできたり、居座ったり、何か出せと迫ってきたら、警察を呼んでください。

邦丸
万が一、引っかかってしまったらどうしましょう。

中原
最寄の消費者センターや警察、弁護士にご相談ください。犯罪はどんどん新しいタイプのものが出てきます。決してヒトゴトではありません。ラジオや新聞、テレビなどで情報を得て、万一こうした業者がやってきたら、冷静に対処していただければと思います。