文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明弁護士が出演 120回テーマ 「震災でクルマが大変だ!」編

2011年06月07日

120回テーマ 「震災でクルマが大変だ!」編
2011年6月7日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 中原俊明(なかはら としあき)代表弁護士

120回テーマ 「震災でクルマが大変だ!」編(6月7日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
震災からまもなく三ヶ月が経とうとしていますが、引き続き、各方面への影響、計り知れないものがあります。中でも深刻なのが、自動車業界ですね。4月の生産台数が、対前年比でおよそ6割減!もちろん、新車の製造だけでなく、実際に足として使われていた車も、津波で大きな被害を受けました。

中原
5月末の段階で、津波の被害を受けた車の台数ですが、岩手・宮城・福島の三つの県で、合計、二十四万台ぐらいではないかと言われています。保管している場所はどこも満杯、所有者もわからないものが多く、自治体が頭を痛めているそうです。

邦丸
保管されている車は今後どうなるんですか?

中原
自治体が「こういう車がありますよ」と情報を出して、2週間、持ち主が名乗り出ない場合は、処分されていくことになります。たとえば、岩手県の大船渡市では、6月9日までに所有者と連絡がとれない場合は、市で登録を抹消し、廃車の手続きを取るそうです。ただ所有者が行方不明で連絡が取れなかったり、壊れ方がひどくナンバーや車体番号が読み取れなかったり、作業自体は難航しているようですね。

邦丸
車がなくなって困ってる方も多いでしょうが、保険が適用されれば、買い替えもできますよね。

中原
ところが今回、保険が適用されず困っている方が多いんです。自動車保険の場合、通常の車両保険に加えて、「地震特約」がないと、地震や津波の被害は補償されません。
ただこの特約は、あまり知られていないのが実情です。ある大手損保では、自動車保険契約者のうち、この特約をつけている方は、1%に満たないとのことです。

邦丸
厳しいですね。でも車がないと生活できませんよね。

中原
新車に買い換える余裕がない方も多いでしょうから、中古車が人気です。品薄で、値段がどんどん上がってるそうです。普通なら8万程度で買えるサビだらけの車が20万、とか、走行距離5万キロ超の7年落ちの軽乗用車が70万とか…

邦丸
市場経済の仕組みからは仕方がない面がありますが、被災者の方にとっては厳しい状況ですね。

中原
ただ、需要と供給の関係で値段が上がっているならまだしも、足元を見て、高値で売りつける場合もあるようです。「なければ困るだろう」という態度に出てくるんですね。被災地では、空き地に怪しげな無人の中古車店舗があり、ただ連絡先だけが車にかかれていたりするそうです。用心してかかりたいところですよね。

邦丸
弱っている人に付け込むというのは、最低ですが…実際、そういうことも、あるんでしょうね。被災地で、程度のいい車を手に入れるには、どうすればいいんでしょう?

中原
実は、新車が足りないことから、中古車不足は全国的な現象になりつつあり、状況は深刻なんですが、現在、大手自動車メーカーが、被災地に向け、優先的に中古車を回すよう、動き始めているとのことです。

また大手の中古車販売チェーンが、被災地のショッピングセンターなどで、被災地向特別価格での展示即売会を行うといった動きも報道されています。とりあえずは、こうした機会をうまく利用するといいと思います。

こんな震災、二度とあってほしくはないですが、自動車保険に加入する場合は「地震特約」をチェックしておくのも、必要かもしれません。