文化放送『くにまるジャパン』に山田冬樹弁護士が出演 125回テーマ 「金貨金融詐欺」編

2011年07月12日

125回テーマ 「金貨金融詐欺」編
2011年7月12日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 山田冬樹弁護士

125回テーマ 「金貨金融詐欺」編(7月12日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸

本日のテーマは、ヤミ金の新しい手口、「金貨金融」についてです。
いったいどういうものなんでしょうか。

山田

金貨や地金を「代金後払い」で販売し、それを換金させる形で融資を行うものです。
民事では、今年1月札幌簡易裁判所が「売買でない。実質上、暴利の融資にあたる」と判断しています。
その後こんどは、刑事事件として、先月末、全国で初めて出資法違反の疑いで、貸金業の男2人が逮捕されました。でも「あくまでも金貨の売買。金を貸していたわけではない」と、言い張っているようです。

邦丸

もう少し詳しく、「金貨金融」の仕組み教えてください。

山田

例えば、現金がなくて困っている多重債務者Aさんが、「くにまるコインショップ」へ行き、「代金後払い」で、5万円の金貨を買います。この時点でAさんの手元にあるのは、金貨1枚です。その後、その「くにまるコインショップ」で指示された、買い取り業者にこのコインを持っていくと、金貨と引き換えに、3万円の現金がもらえる・・・という仕組みです。

邦丸

つまり、3万円は一応手に入っても、「代金後払い」ということは、Aさんは、「くにまるコインショップ」にあとで5万円を払うわけですから、結局3万円借りて、5万円返すのと変わらないというわけですよね。

山田

そうなんです。しかも後払いの期限は、わずか1週間。1週間で2万円の利子がつくのと変わらないんです。事実上、高金利で金を貸す新たな手口として、昨年あたりからどんどん被害が増えているんです。

これは札幌のある業者の例ですが、オーストリア政府発行のウィーン金貨2枚で1万7500円を、7日後に3万1000円の後払いで、買わせたのです。
利息でいうと、1週間で約80%ですから、年利だと約4000%ということになります。

邦丸

4000%とは!驚きです。

山田

一見簡単に返せそうに見えて、実際にはなかなか返せない。
そうやってどんどん借金を膨らませていく手口もあるんです。例えば、購入代金の5万円を、一日あたり2千円で20回、21回目で残金1万円を一括・・・というパターンもあります。毎日2千円は、お小遣いの中で何とかなっても、最終回の1万円で支払い困難になってしまう。
すると、また新たな金貨を買って返す・・・その繰り返しで、雪だるま式に借金が増えていくという最悪の状態になります。
中には自宅へ押しかけたり、職場へ執拗に電話するなど、脅迫的な取り立てを受ける場合もあるようです。

昨年6月の改正貸金業法で、借入が難しくなった方が、返済が苦しくなってこういうところを利用しているようです。

先程の出資法違反の疑いで逮捕されたという業者は、「債務整理。破産、ブラックの方でも現金がすぐにできます」「30万まで即サポート」なんていう広告を打っていました。それを見て借りられるのかと思って行くと、金貨を買わされるというパターンなんです。

邦丸

「現金がすぐできる」というキーワードに要注意ですね。

山田

そんなにおいしい話はないということです。また、国民生活センターでも繰り返し注意を呼びかけています。借金問題でお悩みの場合は、怪しげな業者に駆け込む前に弁護士などの専門家に相談していただければとお思います。