文化放送『くにまるジャパン』に山田冬樹が出演 129回テーマ 「ブラックリストの正体を探る」編

2011年08月09日

129回テーマ 「ブラックリストの正体を探る」編
2011年8月9日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 山田冬樹(やまだふゆき)弁護士

129回テーマ 「ブラックリストの正体を探る」編(8月9日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸

先週は「自己破産」についてお話を伺いました。前向きな再出発を保証する制度で、借金がチャラになる…というのは悪くないと思うのですが、一つ気になるのは、「ブラックリスト」に名前が載って、暮らしにくくなるんじゃないか、ということです。

山田

 「ブラックリスト」って、どんなモノだと思います?

邦丸

借金を返せず破産したり、何度も延滞している人の名前とか、住所が一覧表になっているとか、そんなものでしょうか。

山田

それがどういうところに保管されていると思います?

邦丸

金融機関とか、あと役所とかにもあるのか、ちょっとそこまでは考えたことがないです。

山田

よく、破産すると住民票に載ったり、戸籍に載ったりするのではないかという不安を口にされる方がいるんです。破産までしなくても、弁護士に依頼して借金の整理をすると、ブラックリストみたいなものが出回って、会社に知られるのではと心配される方もおられます。そういう心配は無いんです。

借入状況とか、返済状況とかの情報を信用情報と言いますが、こういった信用情報は、貸金業法上、国が指定した「信用情報機関」というところで、安産に管理されています。消費者金融系、クレジット系、銀行系と、業界ごとに、三つの機関があります。一つにすれば良いんですが、なかなかうまく行かないようです。

邦丸

いったい、どんな情報が登録されているんですか

山田

人にお金を貸す業者の側に立って考えてみましょうか。この人が、ちゃんと貸したお金を返してくれるかどうか。どういったところから判断しますか。まずは収入がどのくらいあるか確認しますよね。でも、それだけでは不安です。ほかの業者からどれくらい借入をしているのか、きちんと返しているのか…こうしたことが気になりますよね。

「ほかの業者からの借入」「きちんと返済しているか」…こうした情報が「信用情報」と呼ばれるもので、業者がお金を貸す「審査」の際、一番参考にするものです。信用機関によって、信用情報を登録するタイミングが少しずつ違うのですが、クレジットカードの場合、口座が残高不足で引き落としできなかった場合、業者はすぐに加盟している信用情報機関に報告します。3ヶ月分延滞すると、消費者金融系、銀行系にもその情報が伝わります。そうなると、他のクレジット会社や消費者金融、銀行で借りようとしても、審査の段階ではねられちやうんですね。これがブラックリストの正体です。

邦丸

いわゆるブラック情報というものには、どんなものがあるんでしょう。

山田

「借金整理した」「自己破産した」といったものです。一度登録されてしまうと、新たな借入ができなくなったり、カードを作れなくなったりします。登録されても、「預金できない」「保険に入れない」「家が借りられない」といった事態にはなりません。

それに、登録されても一生続くわけではありません。原則として、支払いが遅れたり、借金整理の場合は5年で抹消されます。自己破産の場合は、消費者金融系、クレジット系は、やはり5年で消えますが、銀行系は10年と長くなっています。ただこうした信用情報は、金融業者などがお金を貸そうという時以外には、見ることが許されていません。ですから、たとえば銀行の上司が、部下がブラック状態になっていないか調べるため、というような理由では見ることはできません。

邦丸

新たな借金ができないか、クレジットカードが作れないだけ。ほかの日常生活は大丈夫、ということですね。

山田

「ホームワン」でも、借金問題でご依頼くださった方から、「ブラックリスト」についてよく質問をいただきます。ただ、今日お話したように、過剰な心配は必要ありません。弁護士など専門家に借金整理を依頼する時は不安なことがあれば、遠慮なく質問して、納得いくまで説明を受けた上で申し込むようにしていただきたいですね。