文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明(としあき)代表弁護士が出演 144回テーマ 「おそるべき新型詐欺」編

2011年11月22日

144回テーマ 「おそるべき新型詐欺」編
2011年11月22日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 中原俊明(としあき)代表弁護士

144回テーマ 「おそるべき新型詐欺」編(11月22日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸

「振り込め詐欺」の被害が警察の調べでは、昨年の同じ時期に較べて増加傾向だそうです。これだけマスコミで手口が報じられているのに、なぜ被害が増えているのか、不思議な気がするんですが…

中原

次から次へと新たな手口が出てきているからです。
昔からある手口、息子などを装ういわゆる「オレオレ詐欺」は、警察や金融機関が注意を呼びかけてきたお陰で、減っています。金融機関の窓口で未然に防止できるケースも増えているそうです。そこで、犯罪者たちは「窓口に行かせない」手を考えました。被害者の家に、直接現金を取りに行ってしまうやり方です。

邦丸

どうすればそんなことができちゃうんですか?

中原

まず息子や孫をカタる。これは「オレオレ詐欺」と同じですね。電話で「先物取引で失敗した」「人妻を妊娠させ示談金が必要」などと話します。
そして相手が食いついてきたら「これからお金を取りにいく」と、時間を約束して、いったん電話を切る。そして直前になり「行けなくなった。代わりに会社の同僚が行くから」ともう一度電話を入れます。

邦丸

だから見ず知らずの相手でもお金を渡しちゃうわけですね。

中原

今のケースは息子などに「なりすます」わけですが、もう一つ、警察官などに「なりすます」手口があります。たとえば「こちらは愛宕警察です」と電話がかかってきて、「あなたのカードが犯罪に巻き込まれた恐れがあります」と言ってくるわけです。
誰だって警察から電話が来たら動転しますよね。そこが犯人のねらい目で、次にどう出るかと言うと、「安心してください。今から銀行協会の職員がお邪魔しますので、カードを渡してくだされば、問題ありません」と続けます。

邦丸

でも電話を切れば、少しは落ち着いて考えられますよね。

中原

ところが犯人は、警察職員に扮した仲間が到着するまで、電話を切らせないよう、通話を引き伸ばします。被害者に冷静になる時間を与えないわけですね。
職員のふりをした仲間は、「明日、新しい安全なカードをお持ちします」と言いながら、「手続きに必要なので」と暗証番号を聞き出します。何がなんだか分からないうちに、カードは持ち去られ、数分後には口座が空っぽになってしまうというわけです。

邦丸

しかし職員のふりをした仲間は顔を見られるわけですし、かなりリスクの高い手口と言えるんじゃないですか?

中原

受け取り役は、メールで指示されるだけで、司令塔グループは決して摘発されないような仕組みになっているようです。最近では、詐欺グループに見張り役で参加した中学生がほかの二人と一緒に現行犯逮捕された事件が報じられましたが、三人とも「お互いのことは知らない」と供述しています。

邦丸

対策はありますか?

中原

警察や銀行の人間がカードを預かることは絶対ありません。
ナンバーディスプレイを利用して、知らない番号からの電話には絶対出ない…とか、ATMの一日の利用限度額を少なめに設定しておく…といった対策が有効です。
相手が「息子」と名乗ったなら息子さんご本人へ、「警察官」を名乗ったらその警察署へ、折り返し電話をかけ、電話の内容が本当なのか、確認することも大切です。

邦丸

子どもや孫の世代も、おじいちゃん・おばあちゃんに電話するときなど「詐欺に気をつけて」と、声をかけておくと効果的かも知れませんね。