文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/614回テーマ 「住宅ローンと個人再生」編

2021年01月19日

弁護士の中原です。

このコロナ禍で収入が下がってしまうなどして,住宅ローン返済が滞り、債務整理を考えている方が増えているそうです。今回の『くにまるジャパン極』では、住宅ローンに関連して「個人再生」についてお話をしました。

「個人再生」とは、債務整理のひとつで,簡単に説明すると、借金の額を5分の1まで圧縮して、残った借金を原則3年の分割で返済していく、という手続です。破産免責手続のように債務をゼロにするものではないですが、その代わり、破産だと不動産などすべて処分しなければならないところ、「個人再生」では自宅不動産などの財産を、そのまま手元に置いておける可能性があります。ただ,手元に残しておける財産の価値と等しい金額だけは返済しなければならない、というルールがあり,これを「清算価値」といいます。そのため,「債務額の5分の1」の金額より,清算価値のほうが上回っていたら、「負債額の5分の1」ではなく,「清算価値」の金額を支払う必要があります。

厳密にいえば、債務額の5分の1といっても、負債額によってはそのまま5分の1にはならないこともありますし、清算価値の計算方法も難しいので,個人再生をご検討したいという方は、ホームワンにご相談ください。

この個人再生手続が住宅ローンとどのような関係があるかというと,個人再生には「住宅資金特別条項」というものがあります。簡単に言えば「個人再生手続の中で、住宅ローンの支払は原則としてそのまま続け、それ以外の借金を圧縮して返済する」というやり方です。通常、住宅ローンを組む際には,不動産に抵当権を設定して担保にするため,支払が滞ると,最終的には競売にかけられて、家を失うことになります。ただ,個人再生で『住宅資金特別条項』の適用することができれば,住宅ローン以外の借金を圧縮することで,月返済額を下げることができ,住宅ローンの返済を続けることで、自宅を手放すことなく,住み続けることができます。

前述した「清算価値」についてですが,住宅ローンがある場合、住宅の価値からローン残高を差し引いた金額を清算価値とします。たとえば,住宅の価値が2千万で住宅ローン残高が3千万だった場合,住宅ローンのほうが多いので,いわゆる「オーバーローン」状態となり,清算価値はゼロとなります。逆に住宅の価値が3千万で住宅ローン残高が2千万だった場合,住宅ローンのほうが低いので,「アンダーローン」状態となり,差額分の1千万円が清算価値に計上されます。そのため、住宅の価値がローン残高を上回る場合は,金額次第では個人再生のメリットがなくなってしまいます。

個人再生は使いやすいケース、使いにくいケースがあります。住宅ローンに限らず、もし毎月の返済が厳しく、債務整理をお考えの場合、それぞれの方に応じたベストな方法をご一緒に探っていくことができます。ぜひホームワンご相談戴ければと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇614回テーマ
「住宅ローンと個人再生」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士