文化放送『くにまるジャパン 極』に山田冬樹代表弁護士が出演/636回テーマ 「借金の返済を考える」編

2021年06月22日

代表の山田です。

今週の『くにまるジャパン極』では、久しぶりに借金に関するお話をしました。

相談者の方に,借金をしたきっかけを伺うと,最初はちょっとお金が足りなくなったときの『一時しのぎのため』という方が多いのです。ただ,その後も油断して利用を続けているとだんだん借金が増えてきて,そのうち他の業者からも追加で借りてしまい,トータルの金額は多くなくても、小遣いでは払いきれなくなって、いつまでも終わらないという,悪循環に陥ってしまいます。

この状況からなんとか抜け出す方法ですが、まずは,追加で借入れをしないで、とにかく返済に努める。そのうえで,複数の業者から借りている場合、借入している額が小さい業者から1社ずつ完済してください。
1社完済したら、次に金額の少ない業者を同じように完済していく、それを繰り返していくようにしてください。

借りている業者が多いと、全社完済するのにかなりの時間がかかります。全部返し終わる前に定年になって、結局返済しきれなくなってしまうという人もでてくるでしょうし、ここまでくると,自力で完済するのは,相当ハードルが高いです。
そこで選択肢となるのが「債務整理」です。
借金の金額がそれほど多くなくても、返済が無限に続くように感じている方は、債務整理をするメリットはあると思います。債務整理には自己破産や個人再生など裁判所を通じて行う整理と、業者と直接交渉して行う任意整理の3つがあります。自己破産するほどではなく、家計の範囲内で返済できるときは「任意整理」を選ぶケースが多いです。

任意整理とは弁護士が間に入って、業者と返済方法について交渉する方法です。現在の借金を全額返済するのが原則ですが、将来にかかる利息を付けないようにして、だいたい4年から5年くらいの分割返済にしてください、というふうに話を持っていくわけです。利息がつかなくなれば、支払う額が確定されますので,あとは決まった金額を支払い続ければ,完済できます。

借金している方で,利息まできちんと把握している方は、稀と言ってもいいと思います。たとえば、最初50万円を借りて、毎月1万5千を返すとします。一般的には年利18%なので、年間の利息は9万円です。一ヶ月に換算すると7500円、つまり毎月の返済額の半分は利息に充てられていますが、そこまで正確に理解している人は少ないです。これが、業者が複数だとさらに話がややこしくなってしまいます。相談でよくあるのが、たとえば複数の業者から借りて、かなり大きな金額になってしまっているのに、「毎月返済はできているから大丈夫」という方がいます。でも話を詳しく聞くと、A社から借りてB社の借金を返す、次の月はB社から借りてA社の借金を返しているため、借金の全体額は全く減っていません。

これが、いわゆる“自転車操業”です。もちろん毎月無理せず返済ができていれば、すぐに債務整理をする必要はありませんが、毎月どれくらい利息を払い、残高の残りはいくらなのかを具体的に把握して、返済計画を立てるのは、最低限必要なことだと思います。  その上で返済が苦しくなり、新しい借入先を考えるようなら、雪だるま式に借金が膨らむ前に債務整理の検討をお勧めします。現在既に返済が厳しく、どうにかしたいという場合は、ぜひホームワンにご相談ください。それぞれの生活状況に応じた処方箋をご提案いたします。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇636回テーマ
「借金の返済を考える」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 山田冬樹弁護士