文化放送『くにまる食堂』に中原俊明弁護士が出演/698回テーマ 「借金をする前に考えてほしいこと」編

2022年09月13日

弁護士の中原です。

今回は、借金問題をテーマにお話してきました。

現在、原材料価格の高騰や原油高、急速な円安の影響もあり、様々なものが値上げされ、家計が苦しく、急場しのぎにお金を借り入れすることを考えている方もいると思います。そのとき、苦しまぎれにとりあえず借りてしまうという方が多いのですが、借りる前に、どういう条件で借りるのかを、しっかり理解して借り入れしないと危険です。

借り入れをする際には、最低でも、どれくらいの金利でお金を借りるのか、毎月決められた金額を支払うとして、返済が終わるまでどれくらいかかるのか、すべて返し終わるまで合計いくらかかって、その内の利息はどれくらいになるのか、…といったことを把握しておくことが必要なのです。でも借金問題で相談に来られる方の多くは、そうしたことを把握されておらず、無計画に借りてしまっている、ということです。

借金そのものより、無計画に借りることの方が問題なのです。まず返済計画をきちんと立ててから借りなければいけません。返せるアテのない借金だけは絶対にしてはいけないのです。

同じ借金でも、家や自動車などをローンで買う場合には、何年間かけて、毎月いくら支払って、…と、皆さん事細かに考えると思います。しかし、生活費の借金は、比較的小さな金額を何度も借りてしまって、結果的に計画性のない借金になりがちで、結局、返済のためにまた生活費が足りなくなって、また借金、という負のループから抜け出せなくなってしまいます。

そこで、借金を考えるほど生活が行き詰ってきた場合、なぜお金が足りないのかを、じっくり考えてみる必要があります。簡単な話ですが、家計の収支バランスが崩れてしまうと、生活費が足りなくなります。ここでまず、収入の増やし方、支出の減らし方を考えてください。安易に借金をするようなことはしてはいけません。

しかし、いきなり収入を増やすことは難しいので、まずやるべきなのが、家計簿・家計の一覧表をつけて管理することです。そんなことでどうにかなるのかと思われるかもしれませんが、実は、自己破産や個人再生といった裁判所で行なう債務整理でも、家計の収支の一覧表を提出することが求められます。

昔ながらのやり方ですが、とても有効な手段なのです。そうすることで、家計の削減すべきところがわかると思います。家計簿は、今後、どうすればいいのか、具体的に考えるためのツールとなります。とにかく安易にお金を借りないで、まず家計を見直します。そして収入の範囲でやりくりすることを考えるのが第一段階。その上で、やむを得ず借りるにしても、返済のことを考えて、計画的に借り入れることが大切。もう1つ、絶対にしてはいけないのは借金返済のために新たに借金をすること。これを始めると、どんどん借金が膨らんでしまうだけです。いわゆる自転車操業です。

借金のための借金をするしかない状態になったら、債務整理を考えるべきタイミングです。まずはホームワンにご相談いただければと思います。

◇日時
 毎週火曜 11:31~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまる食堂』
◇コーナー名
 「日替わりランチ ホームワン法律相談室」
◇698回テーマ
「借金をする前に考えてほしいこと」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士