【ニュース】警察庁まとめ「振り込め詐欺」の被害総額26%増

2012年01月24日

2011年に全国の警察が認知した、「振り込め詐欺」の被害総額は前年比26.7%増の127億8179万円だったことが19日、警察庁のまとめで分かった。件数(未遂含む)は同5.8%減の6255件で、既遂事件1件当たりの被害額は214万円。ATMの利用限度額の引き下げなどを背景に、現金を直接受け取る手口が急増した。振り込め詐欺の内訳では、身内のトラブルなどをでっち上げる「オレオレ詐欺」が件数では全体の7割を占め、被害総額は同34.1%増の106億2200万円。うち現金を直接受け取る手口の被害は、同2.3倍の41億9500万円に上り、被害総額を押し上げた。オレオレ詐欺以外では、「架空請求詐欺」が同32.6%減の11億8100万円、「融資保証金詐欺」が同109.5%増の7億2千万円、還付金などの詐欺が同249.9%増の2億5700万円だった。
一方、金融機関の職員らの声掛けで振り込みを防いだケースは同25.9%増の1709件あった。
検挙人員は807人で同17.6%増えたのに対し、検挙件数は2430件で同53.2%減った。犯人グループ内で役割の細分化が進み、「出し子」と呼ばれる現金の引き出し役などを検挙しても、主犯格と面識すらないケースも多いという。警察庁は「主犯格まで摘発できないと余罪の解明も難しく、検挙人員に比べて検挙件数が伸び悩んだ」(特殊詐欺対策室)としている。
地域別では、東京、神奈川、埼玉、千葉に被害が集中。4都県の「オレオレ詐欺」は件数で全国の74.5%を占め、現金を直接受け取る手口に限ると、同91.9%に達した。

引用
日本経済新聞 2012年1月19日
「振り込め詐欺」の被害総額26%増 11年127億円
警察庁まとめ 件数は減少、現金手渡し増える