任意整理から自己破産へ変更できる?任意整理と自己破産の分かれ目

代表弁護士山田 冬樹
<監修者> 代表弁護士 山田 冬樹
平成最後の年に還暦を迎えました。還暦とは干支(十干十二支)が一巡し誕生年の干支に還ることを言います。一巡して元にもどったわけですが、さらに60年、新しい分野にも挑戦し続けていきたいと思います。

ホームワンに任意整理を依頼した後になって、「残業ができなくなって収入が減ってしまった」「家族が病気になってしまい、医療費負担が増えてしまった」といったように、生活状況に変化があって、任意整理をしても返済できないかもしれない…ということが発生するかもしれません。ここでは、任意整理での支払いが厳しくなってしまったときに、自己破産に変更する手続きについて解説します。

任意整理から自己破産へ

弁護士に任意整理を依頼したものの、減収などの理由で支払いが厳しくなってしまった場合には、途中からでも自己破産に変更することが可能です。

例えば、総額600万円の借金がある一方で、安定した収入を得ていて、妻もパート収入があり、夫婦で協力して任意整理で返済を続ける方針でご依頼を受けたとします。ところが、その直後に、妻の父親が倒れてしまい、妻がその介護のためにパートを辞めざるを得ない状況に陥ったりしてしまうと、当初の予定と違い、夫は返済を続けていくことが難しくなります。そういった場合は、あらためてホームワンと協議して、任意整理で支払っていくのではなく、自己破産手続きをとって借金を清算する方針に切り替えることも可能です。

そうすることで、現実的には難しいであろう返済を続けなくても済みますし、無事に自己破産が認められ、借金を免除(「免責」といいます)してもらうことができれば、その後、返済に充てる必要があった金は、妻の父親の介護費用に充てられるなど、生活の再建などに役立てることができるようになります。

変更する場合に必要なことは?

任意整理するにしても、自己破産するにしても、最も重要なことは、自分の毎月の家計収支状況をしっかりと把握して、可処分所得(自由に使える手取り収入)がいくらあるのかを認識することです。

仮に、借金が100万円しかなくても、可処分所得が1万円しかなければ返済を継続することは難しいとして自己破産は認められやすいでしょうし、逆に、借金が1000万円あっても、充分な可処分所得があれば任意整理で返しきれる、ということもあります。ホームワンが借金の調査をする際には、家計の収支状況をあらためて確認しますので、メモ等をご用意いただくと、適切な方針を導き出しやすくなります。

自己破産ができる条件とは?

自己破産をする場合には、支払不能の状態にあることを裁判所に認めてもらう必要があります。例えば、仮に500万円の借金があっても、預貯金が600万円あれば、支払不能ではありません。そういった高額の現金・預貯金をお持ちでなくても、例えば、ローンを払い終わった不動産をお持ちであるといったように、処分すれば借金を返しきれるような財産をお持ちの場合も、自己破産することはできません。

他にも、夫婦で協力すれば任意整理で毎月10万円を払うだけの収入があるにも関わらず、借金を妻に秘密にしているので協力が得られない、というような状況では、裁判所は自己破産を認めてくれません。そのため、借金を返しきれるような財産が無い、家計の収支状況を客観的に見ると月々の返済を行うことができない、といったことが、自己破産ができる主な条件となります。

なお、ギャンブルで作った借金は自己破産できない、というように考えられがちですが、そういった借金でも、しっかりと生活状況を見直して、真摯に手続きに望めば、ほとんどの場合で自己破産の手続きをとることで借金を免責してもらうことが可能です。 詳しくは、「自己破産ができる条件、できないケース」をご覧ください。

自己破産から任意整理へ

これまでの話とは逆に、自己破産の希望で依頼した後でも、途中で任意整理に変更することも可能です。過去にホームワンで取り扱ったケースで、多額の借金を負われて自己破産をする予定だったところ、借金の調査を行った結果、予想のほかに過払い金が発生していた業者がありました。その過払い金をもって借金の大半を返済することができ、裁判所に自己破産の申立てを行う前に、任意整理に切り替えて解決することができたケースがあります。

そういったように、自己破産を決心した時点では無かった財産が新たに見つかったとか、収入が増えた・家族が援助してくれることになったといったような事情で返済できるようになった場合は、必ずしも自己破産しなければならないわけではありません。また、借金の調査を行った結果、本人が把握されていらっしゃったよりも借金額が少なくて、それなら任意整理で返済していくことが可能、というケースもあります。

ただし、少し気をつけなければならないこととして、支払いを止めている間に発生する、借金の利息のことがあります。自己破産をする際には、色々と必要書類を集めたり、裁判所に提出する申立書を作成する期間を要したりすることから、数か月単位で業者に対する返済を止めた状況が続きます。これについて、任意整理に切り替える場合、業者は、その間に発生した利息も支払うように言ってくることがほとんどです。そうすると、金額・期間次第では、数十万円単位の利息が付いてしまうため、それも含めて返済していくことが可能なのか、慎重に判断する必要があります。

任意整理と自己破産の分かれ目

借金整理の方針を決めるにあたり、「借金が◯万円以下なら任意整理、それを超えると自己破産」といったような、金額の基準は一切ありません。借金の金額が同じでも、人によって収入額も支出額も違うためです。

なお、一概には言い切れませんが、借金の総額を「50」で割って、その金額が可処分所得(自由に使える手取り収入)よりも大きいか・小さいかが、1つの目安になります。 一般的に、業者と和解交渉をする際の分割回数は、おおむね50回前後になることが多いため、借金の総額を「50」で割った金額が、任意整理をした場合に月々支払う金額の目安となります。その金額を毎月無理なく支払えるのであれば任意整理、その金額は用意できないのであれば自己破産、といったことが考えられます。

ただし、5年分割払い(60回払い)で和解できる業者があったり、弁護士が交渉しても数%の利息を付けて、月々支払う金額に上乗せするように言ってくる業者があったりしますので、あくまで1つの目安とお考えください。

個人再生という選択肢も

任意整理では払っていくことができないけれど、住宅ローンを返済中の持ち家があるから自己破産はしたくない…という方もいらっしゃると思います。その場合には、個人再生・住宅ローン特例の手続きに切り替えることで、住宅は守りつつ、返済額を軽減できる可能性があります。

他にも、ローンの残っていない自動車や、解約時にお金が戻ってくる保険などは、自己破産の場合は処分しなければなりませんが、個人再生の場合は、それらを残すこともできます。ただし、そういった資産が多額の場合は、個人再生した後の毎月の返済額が高額になる可能性もありますので、注意が必要です。 詳しくは、「個人再生とは?」をご覧ください。

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