自己破産を依頼する弁護士の選び方とは?専門性を見極めるポイント

インターネットで検索して自己破産の弁護士を探そうと考えている方は、あらかじめ、どのような点に気をつけて依頼する弁護士を選んだらよいか考えておく必要があります。ここでは、そうしたポイントについて説明した上で、依頼を前提にして相談する際にも注意すべき点を説明します。

自己破産の弁護士の探し方~相談する前~

弁護士に相談する前に、必ずホームページを確認することをおすすめします。弁護士のホームページには簡易なものから詳しく書かれているものまでありますが、次に挙げるポイントをチェックしておくことが望ましいです。

自己破産を取り扱っていることを明示している

まずは、自己破産の取り扱いを明記しているか確かめましょう。取扱分野に自己破産が含まれていない場合は、相談や依頼を断られる可能性があります。また、取扱分野として債務整理とだけ書いてある場合は、注意が必要です。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産がありますが、その全てを取り扱っているとは限りません。そのため、債務整理とのみ記載されている場合は、実際に自己破産を取り扱っているか、確認する必要があるでしょう。

事務所の情報を公開している

法律事務所のホームページでは、基本的な情報がきちんと記載されているか確かめましょう。通常であれば、所属弁護士、どこの弁護士会に所属しているかといった基本情報が明記されています。さらに、弁護士のプロフィールが詳細に書かれているか、自己破産が得意分野であるか、対応エリアが明示されているかといったことも相談や依頼する上では大事な情報なので、あわせて確認するようにしましょう。

自己破産に関する情報が豊富

法律事務所のホームページを確認するとき、自己破産に関する情報が豊富であるかという点も重要なポイントになります。単に自己破産手続きの概要だけでなく、手続きの流れや注意点、自己破産後の生活などのような自己破産を検討している方にとって、本当に知りたい情報が書かれているかという観点から確認しておきましょう。

料金を分かりやすく明示している

ホームページに料金が記載されていない事務所だと相談はしづらいでしょう。無料相談は行なっているか、弁護士費用がいくらか、分割払いに対応しているかといったことが明記されているか確かめておきましょう。

・無料相談を行なっている

最近では、借金問題については無料相談としている法律事務所が多いですが、相談料を一律で1時間5000円~1万円と設定しているところもあります。また、初回のみ無料の場合もありますので、相談にかかる料金をきちんと確認しましょう。

・弁護士費用が明確である

自己破産の費用には、弁護士費用のほかに、手続費用や日当などがあります。また、弁護士費用についても着手金と報酬金をそれぞれ設けている事務所もあれば、着手金だけ設定されている事務所もあります。手続費用には、裁判所へ支払う申立費用や、管財費用があります。何にいくらかかるかが明確になっているかを確認しましょう。

なお、取扱業務に自己破産を載せているものの、自己破産にかかる料金が明確でない事務所の場合は、あまり積極的に自己破産を取り扱っていない可能性もあります。

・分割払いに対応している

自己破産の弁護士費用は一般的に30万円~50万円くらいが目安になっており、通常、破産の申立前に支払う必要があります。

弁護士に依頼すれば債権者への返済は停止しますが、それでも一括で支払うことは現実的に難しい金額です。そのため、依頼にかかる負担を考えると分割払いに対応している法律事務所かどうかも選ぶポイントになります。

自己破産の実績が豊富

法律事務所によっては、これまで扱ってきた自己破産の実績を明示しているところもあります。実績が豊富で様々なケースを取り扱っていれば、自己破産の手続きに精通している事務所であると考えられるため、スムーズに手続きを進められるでしょう。また、ホームページに解決事例が書かれているかどうかも確かめておきましょう。

自己破産の弁護士の選び方~相談する時~

事前にインターネットで検索したり、ホームページを確かめたりして相談したい弁護士が決まったら、実際に相談予約を取って、相談してみましょう。ここでは、依頼する弁護士を選ぶにあたって、相談時に確認するポイントを説明します。

自分の事情を考慮してくれる

弁護士と相談したときに、定型的な説明だけでなく、弁護士が自分の債務状況や財産状況、生活状況といった事情についてきちんと把握して、適切なアドバイスをしてくれるかは重要なポイントです。自己破産では、その人の事情によって細かい方針が異なるため、自分の事情を素直に打ち明ける必要があります。また、弁護士がその事情を踏まえて判断しているかどうかが依頼するかのポイントです。

デメリットを説明してくれる

自己破産には借金がゼロになるというメリットが大きい一方で、一定期間、クレジットカードが使用できなくなる、資産を手放すリスク、資格制限などのデメリットもあります。相談時には、ご自身の生活状況を踏まえて、あらかじめ自己破産のデメリットをきちんと説明してくれるかどうかという点も確かめましょう。

裁判所のローカルルールを知っている

自己破産は、依頼者の居住地域を管轄する裁判所で行ないます。そして、裁判所ごとにローカルルールが設けられています。例えば、同じ財産を持っていても、地域によっては自動車を残せる裁判所もあれば、残せない裁判所もあります。そのため、弁護士がその地域のローカルルールを知っていないと、思わぬリスクを負うこともあります。依頼する弁護士が申立てをする裁判所のローカルルールにあわせた対応ができるかどうかは重要なポイントとなります。

任意整理や個人再生も検討してくれる

債務整理には、自己破産以外にも任意整理や個人再生といった解決方法があります。債務整理に精通していれば、対象にしたくない借入先がある、生活基盤である家を残したいといったご本人の事情にあわせて、自己破産だけでなく任意整理や個人再生も検討したうえで、最適な債務整理の方法を提案してくれるはずです。

十分に情報収集をして信頼できる弁護士に依頼しましょう

自己破産は、時間と手間のかかる裁判手続きです。そして、弁護士は、依頼から手続きが完了するまで依頼者の代理人として活動します。自分の今後を大きく左右する手続きなので、信頼できる弁護士に依頼することが何よりも重要です。

以上のポイントをふまえて十分に情報収集し、実際に相談したうえで、自分にあった弁護士に依頼しましょう。

自己破産を依頼する弁護士の選び方とは? まとめ

  • 自己破産の弁護士を探すときのポイントは?
    自己破産を取り扱っていることを明示しているか、事務所の情報を公開している、自己破産に関する情報が豊富か、料金を分かりやすく明示しているか、自己破産の実績が豊富か、等のポイントをよく確認することが大切です。
  • 自己破産の弁護士に相談するときのポイントは?
    自分の事情を考慮してくれるか、デメリットを説明してくれるか、裁判所のローカルルールを知っているか、任意整理や個人再生も検討してくれるか、等のポイントが弁護士選びの参考になります。
代表弁護士中原俊明
代表弁護士 中原俊明 (東京弁護士会所属)
  • 1954年 東京都出身
  • 1978年 中央大学法学部卒業
  • 1987年 弁護士登録(登録番号:20255)
  • 2008年 法律事務所ホームワン開所

債務整理、特に破産事件を数多く取り扱ってきた。これまでに破産申立を行なった件数は6000件以上。依頼人の利益を考えることを第一に、法律サービスをもっと身近なものにしていくことを目指す。東京弁護士会春秋会の一員として編集に携わった書籍に『実践 訴訟戦術-弁護士はみんな悩んでいる-』などがある。

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