自己破産で奨学金はどうなる?保証人にどんな影響がある?

自己破産で奨学金はどうなる?保証人にどんな影響がある?

在学中に、学費や生活費をまかなうために、日本学生支援機構などから奨学金を受け取っていた方も多いと思います。なかには、病気や退職などがきっかけで、奨学金の返還が難しくなったという方もいるかもしれません。そうした時、自己破産して、奨学金を支払う義務を免除できるのでしょうか?ここでは、自己破産して奨学金をゼロにできるのか、保証人にどんな影響があるのかという疑問や自己破産のデメリット、その他の救済制度について説明します。

自己破産について

自己破産手続きの流れ

自己破産したら、奨学金がゼロになる?

奨学金を借りていたら、自己破産できないと言われることがありますが、自己破産の条件を満たしていれば、自己破産することができます。自己破産で免責が許可されれば、奨学金を返還する義務が免除されるので、奨学金がゼロになると言えます。

実際、日本学生支援機構は、2012年度から2016年度において、自己破産して奨学金の債務が免責された件数は、返還者本人で8,108件、連帯保証人で5,499件、保証人で1,731件あったと発表しています。

奨学金返還者の自己破産に関する報道について(日本学生支援機構)

ただし、自己破産しても、奨学金の返還義務が免除されるのは、破産した本人だけですので、連帯保証人や保証人がついている場合どうなるのかみてみましょう。

連帯保証人・保証人はどうなる?

奨学金を借りていて、自己破産をしたら連帯保証人・保証人にどのような影響があるのでしょうか。借りている人が自己破産すると、連帯保証人・保証人が奨学金の返還請求を受けることになります。

そして、連帯保証人・保証人が本人に代わって返還した場合、連帯保証人・保証人は、本人に対して「代わりに支払った分を返せ」という権利(求償権)が生じ、本人に対する債権者となります。そのため、自己破産の手続きの中で債権者として扱わなければなりません。なお、親族が連帯保証人・保証人になる人的保証に対し、保証機関が保証する機関保証があります。この場合、連帯保証人・保証人がいないため、本人が破産しても、周囲に影響は与えません。

保証人と連帯保証人の違いとは?

自己破産のデメリット

連帯保証人・保証人が返還請求を受ける

上記で説明したように、奨学金を返還できなくなって、自己破産すると、連帯保証人・保証人に対して奨学金の返還請求が行なわれます。

クレジットカードやローンを利用できなくなる

信用情報に、5~10年、自己破産の記録が残り、その間は基本的に、クレジットカードを契約したり、新たな借入れはできなくなります。

財産を処分する必要があります

自己破産は、他の債務整理(任意整理、個人再生)の2つの手続きと違い、支払義務を免除してもらう手続きです。ただし、支払義務を免除してもらう以上、一定以上の財産があれば処分(売却等の現金化)をして、債権者への配当にあてる必要があります。

官報で公告される

官報とは、国が発行している新聞のようなもので、法律が制定された場合などに、それを公告するものですが、自己破産をすると、破産手続開始決定・免責許可決定を受けた者として名前・住所などが官報に掲載されます。

職業・資格に制限がかかる

破産手続開始決定により、一定の資格(弁護士・公認会計士・生命保険募集人・宅地建物取引主任者・警備員など)について手続き中は資格を使用した仕事ができなくなります。免責許可決定が確定すると資格制限は解除されます(復権)。

自己破産する前に利用できる奨学金返還の救済制度

自己破産する前に利用できる奨学金返還の救済制度には、返還期間を延長して月々の返還額を減らせる「減額返還制度」、返還期限の猶予を設ける「返還期限猶予制度」、死亡または精神・身体の障害によって返還できない場合に、返還額の一部または全部が免除される「返還免除」があります。

減額返還制度

減額返還制度の承認基準は次の通りです。

  • 年収325万円以下(給与所得以外の所得を含む場合は年間所得金額225万円以下)
  • 申請、審査の時点で返還を延滞していないこと
  • 口座振替加入者であること

減額返還制度の概要(日本学生支援機構)

返還期限猶予制度

返還期限猶予制度の承認基準は次の通りです。

  • 年収300万円以下(給与所得者以外は所得200万円以下) ただし、年間収入が承認の基準を超えている場合でも、定められた「特別な支出」を控除し、控除後の額が承認の基準内になる場合には申請が可能。また、前年度よりも収入が減ったことにより承認の基準内になる場合も申請が可能。

収入が多い場合、返還期限猶予審査は受けられますか(日本学生支援機構)

返還免除

返還額の一部または全部が免除される返還免除が利用できる要件は次の通りです。

  • 本人が死亡した場合
  • 本人が精神もしくは身体障害によって返還できなくなった場合

死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除(日本学生支援機構)

代表弁護士中原俊明
中原 俊明法律事務所ホームワン 代表弁護士

東京都出身、1987年 弁護士登録(東京弁護士会所属)、ホームワンの代表弁護士 中原です。一件のご相談が、お客さまにとっては一生に一度きりのものだと知っています。お客様の信頼を得て、ご納得いただける解決の道を見つけたい。それがホームワンの願いです。法律事務所ホームワンでは過払い金・借金問題に関する相談を受け付けています。

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