過払い金の知識
和解とは、法律上、互いに譲歩して解決することを言います。過払い金の返還請求をした場合でも、早めに返すので過払い金の何割かをカットして欲しいという譲歩案に応じて、和解するということもあります。もちろん、和解に応じる義務はないので、和解には応じず、裁判によって解決することも可能です。ただ、時間がかかってしまうというデメリットもあるので、最終的には、ご依頼者様のご意向となります。
業者は法律上受け取る権利はないのを知りながら、過払い金を受け取っていたのですから、過払い金に年3%または5%の利息を付けて返す必要があります。
しかし、弁護士が和解を求めて交渉しても、過払い金を利息付で返してくれる業者はほとんどありません。中には過払い金の何割を払うというように、過払い金そのものの減額を求めてくる業者さえいます。そのため、過払い金を利息もつけて返して回収するには裁判をする必要があります。
ただ、裁判をした場合、徹底的な引き延ばしをはかる業者もおり、早期に回収することができないことも多く、少しでも早い解決をという方は、金額は低くても和解の解決によることになります。
過払い金を請求すると、業者は取引の一部が時効になっているとか、既に和解が成立しているから過払い金を請求できないとか、様々な争点を争ってきます。ただ、それをすると手間がかかるため、任意交渉の段階では、そこまで争ってこないことがあります。ただ、そうした争点がある取引について、裁判をして過払い金を取り戻そうとすると「だったら、こちらも主張すべきは主張する」として、弁護士をつけてこうした争点を徹底的に争ってきます。そのため、裁判をすると、かえって過払い金を取り戻せなくなったり、大きく金額が減ってしまうこともあるため、注意が必要です。
和解による解決の場合、業者が提示した金額に応じる和解書を締結します。業者が倒産でもしない限り、予定日通りに返って来ますが、和解から返還日までの日数は、業者によって異なります。
また、裁判による解決の場合でも、裁判=判決というわけではなく、判決になる前に何度か業者から和解案が提示される事がありますので、ある程度金額が上がった段階で、裁判の中で和解することもあります。
業者と取引をしている途中で、業者から「返済が大変そうですね。長くお取引いただいているので、利息をなくすことも可能ですよ。」と甘い言葉を言ってくることがあります。ただし、業者は、その条件として業者が作った書面にサインをすることを求めてきますが、この書面が、実は法律上和解書にあたるとして、過払い金を請求できなくなることがあるのです。
その書面(書面のタイトルが和解書となっているとは限りません)には、たいてい、清算条項という借主に不利な条項が入っています。清算条項とは、和解書には必ず入っている条項で、「本件に関し、契約書が定める以外の債権債務はないものとする」というものです。その意味は「和解書で決められた金額以外には、お互いにこれ以上金銭請求はいたしません」ということです。条項を素直に読むと、借主は和解書に書かれた以上の金額を払う必要はないし、借主も業者に対し過払い金を請求できなくなるということになってしまいます。こうした和解書の取り交わしのある取引について過払い金を請求すると、業者は「和解により過払い金は放棄された。」と主張して、過払い金を払ってきません。
しかし、この清算条項を見て、これがあるせいで過払い金を請求できなくなると考える人はほとんどいないでしょう。それを理由に、この和解契約は無効だという主張もよく行われますが、和解契約は「紛争を最終的解決するための契約」のため、無効主張を認めてくれない裁判官が多くいます。
私たちも「こうした和解契約書にある清算条項は、貸金債務についてだけのものであり、過払い金について定められたものではない。」として、和解契約は無効だと主張するのですが、最近は清算条項がない場合でも、和解を認める裁判官まで多くいます。 ただ、こうした事案であっても、裁判前の交渉で業者と交渉した結果、和解金を獲得した場合も多くありますので、是非ご相談ください。
業者が、書面にサインを求めてくるというのは、何らか自分たちに有利になるようにと考えてのことが多いですから、そうした場合はすぐに弁護士に相談してください。うっかりサインをしてしまったとしても、争う余地は十分ありますので、諦めることなく、弁護士に相談ください。
業者との取引も長く、ご自身の借金がすでに過払いになっているのではないかと思い、取引履歴の開示を求めたところ、業者から「もう返済しなくていいですよ」とか、「過払い状態になっているので●万円で和解しましょう」という話をされる場合があります。業者は、弁護士がつくと、満額請求されるという頭があるため、何とか支払いをゼロにするか、なるべく低い金額で和解してもらおうと思って、こう言っているのが殆どですから、そのような場合は、きっぱり「弁護士に相談してから対応を検討します」と答えて、相手に言質をとられないようにしてください。
東京都出身、1987年 弁護士登録(東京弁護士会所属)、ホームワンの代表弁護士 中原です。一件のご相談が、お客さまにとっては一生に一度きりのものだと知っています。お客様の信頼を得て、ご納得いただける解決の道を見つけたい。それがホームワンの願いです。法律事務所ホームワンでは過払い金・借金問題に関する相談を受け付けています。
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