ギャンブルによる借金があっても、個人再生手続できる?

ここでは、ギャンブルによる借金があっても、個人再生手続はできるのか、なぜギャンブルによる借金があっても個人再生手続できるのか、といった疑問にお答えしながら、個人再生手続の条件について説明します。また、依頼中にギャンブルをしてしまった場合にどのような影響があるのかという点についても詳しく解説します。

ギャンブルによる借金があっても、個人再生手続できる?

ギャンブルによる借金があっても、個人再生手続はできます。個人再生は、裁判所に「再生計画」の認可決定を受け、借金を大幅に減額してもらう手続きです。個人再生の手続きは、自分が住んでいる地域の裁判所に申し立てて行ないます。申立て後、裁判所から個人再生をすることの許可を得たら、債権者への返済計画(「再生計画案」)を作成して、裁判所に提出します。提出した「再生計画案」を裁判所が認可したら、認可を受けた「再生計画」に基づいて債権者へ返済をします。

なぜギャンブルによる借金があっても個人再生手続できるのか?

ギャンブルが原因で返済できないほどの借金を負ってしまったということは本来、好ましいものとは考えられません。

そのため、自己破産では、免責手続において、ギャンブルが原因で借金を負ってしまったことが問題視されます。パチンコや競馬などギャンブルのために借金をしたという理由は、浪費による借金をしたと見られて、免責をそのまま認めるわけにはいかなくなるからです。このような免責の判断を難しくする事情を「免責不許可事由」といいます。ただし、しっかりと過去の行為を反省して、今後の経済的更生に向けて真摯に努力をしているのであれば、裁判官がそういった事情を考慮したうえで免責を許可するのが一般的です(裁量免責)。

一方で、個人再生においては、免責不許可事由が定められていないため、ギャンブルが原因で借金を作ったという理由で、申立てが棄却されたり、手続きが廃止されたり、手続きが不許可となるといったことはありません。そのため、個人再生手続においては、自己破産のように借金の理由が手続きの支障となることはありません

自己破産ができる条件、できないケース

個人再生手続できる条件とは?

それでは、個人再生できる条件とはどのようなものでしょうか?個人再生手続ができるための条件は、下記の4つです。

  • 将来的に継続又は反復した収入があり、再生計画に則った弁済が出来ること
  • 債務(借金)総額が5000万円以下(利息制限法の引き直し計算後)であること
  • 債権者からの反対で、書面決議が否決されないこと(小規模個人再生手続のみ)
  • 過去7年以内に、給与所得者再生の再生計画認可決定、破産手続免責決定、個人再生手続のハードシップ免責許可決定を受けていないこと(給与所得者再生手続のみ)

個人再生ができる条件

個人再生手続においては、これらの条件を満たす必要がありますが、ギャンブルなど借金の理由が問われないので、個人再生手続ができなくなるということはありません。ただし、個人再生を依頼中にギャンブルした場合においては、個人再生手続ができなくなることもあるので、十分注意しましょう。

個人再生手続きの流れ

個人再生を依頼中にギャンブルした場合どうなる?

ギャンブルが原因で借金を作ったということは、個人再生手続では影響はありませんが、個人再生の依頼中にギャンブルをしたら、最悪の場合、個人再生ができなくなってしまう可能性があります。仮に認められたとしても、返済額が増額されることがありますので、個人再生の依頼中のギャンブルは厳に慎みましょう。

再生計画案の認可が下りにくくなる

個人再生は「再生計画に則った弁済ができること」が条件です。そのため、ギャンブルなどの浪費をしていると、再生計画案の履行可能性を裁判所に疑われてしまいます。そうすると、再生計画案についての認可決定がスムーズにいかない恐れがあります。

返済額が増額される

依頼後にギャンブルをしてしまった場合、手元にある財産だけでなくギャンブルで費消した金額を考慮して返済計画を定めなければならない場合があります。そのため、当初の予定より増額した返済計画を立てざるを得ず、返済額が上がってしまう可能性があります。

個人再生を依頼中にギャンブルした場合どうすればよい?

すぐに弁護士にギャンブルをしてしまったことを伝えましょう。弁護士に依頼した後にギャンブルをしたかどうかは、裁判所に提出する家計収支表や通帳等の記載から分かってしまいます。弁護士にギャンブルした事実を伝えないまま、裁判所の指摘でギャンブルをやっていることが発覚してしまった場合、上でも述べたように、再生計画案の認可が下りにくくなったり、返済額が増額されたりする可能性があります。必ず弁護士にギャンブルをしたことを報告し、その後の手続きをどのように進めたらよいか確認しましょう。

個人再生手続におけるギャンブルの注意点

個人再生手続では、ギャンブルなどの借金を作った理由によって不認可となるということはありませんが、弁護士に依頼した後にギャンブルをすると不認可となる、もしくは返済額が増額する可能性があります。弁護士に依頼した後に、ギャンブルは絶対にしないことが重要です。万が一、ギャンブルをしてしまった場合でも、その事実を隠さずに、すぐに弁護士に伝えるようにしましょう。

個人再生とギャンブルに関連する解決事例

ギャンブルによる借金があっても、個人再生手続できる? まとめ

  • ギャンブルによる借金があっても、個人再生手続できる?
    ギャンブルによる借金があっても、個人再生手続はできます。
  • 個人再生手続できる条件とは?
    将来的に継続又は反復した収入があり、再生計画に則った弁済が出来ること、債務総額が5000万円以下(利息制限法の引き直し計算後)であること、等があります。
  • 個人再生を依頼中にギャンブルした場合どうなる?
    個人再生ができなくなってしまう可能性や、返済額が増額されることがあります。

個人再生ができない、失敗するケースとは?

代表弁護士中原俊明
中原 俊明法律事務所ホームワン 代表弁護士

東京都出身、1987年 弁護士登録(東京弁護士会所属)、ホームワンの代表弁護士 中原です。一件のご相談が、お客さまにとっては一生に一度きりのものだと知っています。お客様の信頼を得て、ご納得いただける解決の道を見つけたい。それがホームワンの願いです。法律事務所ホームワンでは過払い金・借金問題に関する相談を受け付けています。

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