個人再生で車はどうなる?

自動車を所有する状態で個人再生をした場合、所有する自動車を手放す必要はありません。個人再生は自己破産と違い、財産を手放す手続きではないからです。 ただし、信販会社等でローンを組んで購入し、その支払いが終わっていない自動車の場合は扱いが異なります。ここでは、個人再生での自動車の取り扱い、自動車を手放さなければならない場合について説明します。

この記事のポイント

  • 個人再生では自動車を手放す必要はない
  • 自動車の価値が高いと返済額が高くなる
  • 所有権留保がある自動車は原則として引き揚げられる

個人再生とは

個人再生は、裁判所に「再生計画」の認可決定を受け、借金を大幅に減額してもらう手続きです。個人再生の手続きは、自分が住んでいる地域の裁判所に申し立てて行ないます。申立て後、裁判所から個人再生をすることの許可を得たら、債権者への返済計画(「再生計画案」)を作成して、裁判所に提出します。提出した「再生計画案」を裁判所が認可したら、認可を受けた「再生計画」に基づいて債権者へ返済をします。

「再生計画案」は、債務状況に基づく「最低弁済基準」と、資産状況に基づく「清算価値基準」を比較して金額の大きい方の基準で作成します(小規模個人再生の場合)。

例)負債総額600万円、資産総額180万円の状況で個人再生を申し立てた場合
最低弁済基準120万円(600万円を5分の1に圧縮) < 清算価値基準180万円

このケースでは個人再生での返済額は清算価値基準の180万円になります。 なお、「再生計画案」は原則3年(36か月)を返済期間として作成しますので、このケースでの月返済額は5万円(180万円÷36か月)となります。 「再生計画」に基づく返済が完了したら残りの債務(600万円-180万円=420万円)は免除されます。 つまり、このケースでは600万円の債務に対して180万円を返済すれば、借金問題が終わります。 このように、個人再生は資産を処分せずに、債務を大幅に圧縮することができるため、返済負担の軽減効果が高い債務整理といえます。

また、個人再生では、住宅ローンが残っている自宅については、住宅資金特別条項(いわゆる「住宅ローン特則」)を利用できれば、そのまま住宅ローンの返済を継続することで、自宅を手放さなくてすむという特徴もあります。

個人再生での自動車の取り扱い

個人再生では、自動車は資産として取り扱います。自動車の資産価値は清算価値に計上するため、自動車の資産価値が高いほど、個人再生での返済額が高くなります。 なお、自動車の資産価値は、時価となるため、中古車販売店等で査定をとる必要があります。査定金額は裁判所へ報告するため、査定結果は口頭だけでは足りず、金額が分かる書面が必要となります。 ただし、裁判所によっては、減価償却の法定耐用年数に基づいて、初度登録から6年以上が経過している自動車については、資産価値を0円(価値なし)と扱うこともあります。 個人再生は裁判所によって運用が異なる場合がありますので、住んでいる地域の裁判所の運用を知りたい場合はホームワンまでご相談ください。

自動車の資産価値が高くなった場合

自動車の資産価値が高くなると、清算価値が増加し、個人再生での返済額が高くなる場合があります。その場合は、返済能力に見合った「再生計画案」にするため、原則の3年(36か月)ではなく、例外的に最長5年(60か月)の範囲で「再生計画案」を作成します。ただし、3年を超える「再生計画案」が認められるかどうかは裁判所の判断になります。

自動車を手放さなければならない場合

自動車を、オリコやアプラスといった信販会社(クレジット会社)を通じた立替分割払いで購入した場合、原則として、購入した自動車には「所有権留保」が設定されます。この場合、車検証の所有者欄には信販会社の名前が記載されます。 この「所有権留保」とは、「完済するまで、自動車の所有権は立て替えた側(信販会社)にある」というものです。 そのため、所有権留保がある状態で返済が止まってしまうと、信販会社は自動車を引き揚げて、転売して転売代金とローン残高を相殺します。 つまり、立替分割払いで購入した自動車がある状態で個人再生をしようとすると、その自動車は手放さなければなりません。

所有権留保がある自動車を残す方法として「第三者弁済」を紹介するサイトがありますが、「第三者弁済」は、代わりに支払った第三者を債権者と扱うことや時期ややり方次第で個人再生が不利になることがあります。「第三者弁済」を検討している場合は、ご自身の判断のみでおこなわず、必ず、個人再生に詳しい弁護士に相談してください。

自動車ローンがあるのに車を手放さなくても済む場合

銀行や信用金庫といった金融機関で自動車ローン(マイカーローン)を組んで自動車を購入した場合は、あくまで自動車購入資金を金融機関から借り入れて購入したものなので、信販会社の立替分割払いでの購入と異なり「所有権留保」はありません。そのため、車検証の所有者も購入者の名前が記載されています。 つまり、金融機関のマイカーローンで自動車を購入して、完済前に個人再生を行なったとしても、債権者による自動車の引き揚げはなく、自動車を手放さずに済みます

任意整理では、車を残せる?

任意整理とは、債権者に将来利息のカットや返済期間について交渉して、月々の返済の負担を減らす手続きです。個人再生と違い、任意整理では債務整理する対象を選ぶことができます。そのため、自動車ローンを任意整理の対象から外して、引き続き、自動車ローンを払い続けることができれば、車を残すことができます。

自己破産では、車を残せる?

自己破産とは、借金を返済できなくなってしまった方が裁判所に申立てを行なうことで、一定の価値のある財産を清算して、債権者に配当する手続きです。所有している自動車も、一定の価値がある場合は、原則として、処分しなくてはいけません

自己破産をすると自動車は処分されてしまう?

個人再生を任意整理や自己破産と比較して、車の取り扱いについて、表にまとめると次のようになります。

任意整理 個人再生 自己破産
車を残せる?
自動車ローンを任意整理の対象から外せば、手元に残せます。

ただし、所有権留保がついている場合、信販会社に自動車を引き揚げられます。

一定の価値がある場合は、原則として残せません。また、所有権留保がついている場合、信販会社に自動車を引き揚げられます。

まとめ

自動車を持った状態で個人再生をする場合、自動車の価値、ローンが残っているか?、どこでローンを組んでいるか?によって自動車の扱いが変わってきます。 個人再生は裁判手続を使った債務整理であり、専門家でないと判断が難しいことが多くあります。 ホームワンにはこれまで全国の裁判所で多くの個人再生の実績があり、経験に基づくノウハウがあります。 自動車を持った状態で個人再生ができるかどうかを知りたい方は、是非、ホームワンの無料相談をご利用ください。

個人再生で車はどうなる? まとめ

  • 個人再生とは?
    裁判所に「再生計画」の認可決定を受け、借金を大幅に減額してもらう手続きです。
  • 個人再生での自動車の取り扱いは?
    自動車の資産価値は清算価値に計上するため、自動車の資産価値が高いほど、個人再生での返済額が高くなります。
  • 自動車を手放さなければならない場合は?
    信販会社(クレジット会社)を通じた立替分割払いで購入した場合、原則として、購入した自動車には「所有権留保」が設定されます。所有権留保がある状態で個人再生をしようとすると、その自動車は手放さなければなりません。

個人再生の種類

代表弁護士中原俊明
中原 俊明法律事務所ホームワン 代表弁護士

東京都出身、1987年 弁護士登録(東京弁護士会所属)、ホームワンの代表弁護士 中原です。一件のご相談が、お客さまにとっては一生に一度きりのものだと知っています。お客様の信頼を得て、ご納得いただける解決の道を見つけたい。それがホームワンの願いです。法律事務所ホームワンでは過払い金・借金問題に関する相談を受け付けています。

この弁護士のプロフィール

Webからご相談を申し込む

Web相談申込

債務整理・過払い金のご相談や無料調査など、借金問題にかかわることはなんでもご相談ください。